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大相撲の八百長問題の処分を考える。
カテゴリ: その他スポーツ
大相撲の八百長処分の発表がありました。
メールに名前が残っていた力士だけではなく、関与を認めずメールの痕跡が残っていなかった力士に対しても処分が下されました。
判断の基準として、(1)聞き取り調査の内容と態度(2)メールの解析結果(3)取組の映像(4)携帯電話の提出を求めた際の対応の4点が上げられています。既に八百長を認めていた者の証言の採用については、(1)と(3)に関連するところでしょう。


〈各要件の考慮〉

(1)聞き取り調査の内容と態度について、というのは判断が主観に委ねられないところで大変難しいところです。もっと憤慨してもよかったのではないか、という意見がありましたが、逆に憤慨するとやましいところがあるから落ち着いた対応ができなかったのではないか、と言われてしまうところがあります。これは刑事事件でも同じことが言えます。最近新聞にも掲載された某刑事事件の控訴審判決では、落ち着いて対応していたのは知っていたからだ、という判断をした部分がありました。知らなかったのであればもっと慌てるはずだということなのですが、似たような事件で慌てたのは隠していたのがばれたからだという判断を受けたことがあります。本当に難しい問題です。

(3)について、八百長を認めた力士の証言などと一致する、という話がありましたが、これがどこまで信用できるのか・・取り組みが過去にさかのぼればさかのぼる程、人の記憶ははっきりしないものになります。何かしらの記録が残されているならまだしも、記憶だけで説明しきれるものでしょうか。後付けで合わせた説明との区別はどうするのでしょうか。
人の記憶の信用性については、例えば昨日の今頃何をやっていたか、正確に思い出せるかどうかを考えていただければご理解いただけると思います。
竹縄親方(元幕内春日錦)、十両・千代白鵬、幕下・恵那司の3人の証言をもとにしたということですが、客観証拠がない点では大きな問題です。3人は処分を受けることが確実ですから、道連れを作る可能性もあったわけです。画面に合わせた説明ができれば信用できるのか、3人が同じことを言っていれば信用できるのか、慎重に判断しなければいけない問題です。

(4)の携帯電話の破壊については、通常の刑事裁判であれば「やましいところがないなら壊す必要もない」という前提のもと、壊れた時期・壊れ方などを判断の上、おかしいという印象があれば、「黒」であることを推測する一事情として間違いなく使用されるでしょう。本当は行為時の判断が重要であり、事後的なものは重要度が少し落ちるのですがね。

〈これは司法取引と同じ〉

今回の処分で、当初から八百長を認め、調査に協力した力士については処分を軽減する措置がとられました。司法取引と同じようなものです。日本では、司法取引は、虚偽の発言をする可能性があり、えん罪を産む可能性があるとして認められていません。導入が検討されたことはあったようですが、いまだ認められていないものです。野球賭博のときには、当初認めれば軽くするという話があったようですが、結局のところ処分は軽くなりませんでした。処分された力士が「正直者がバカを見る」などと発言していたことは記憶に新しいと思います。相撲の根幹を揺るがすとしたら、今回の方が明らかに大きな事態なのにもかかわらず、処分の軽減を認めたのかは個人的には理解できません。ただ、それほど証拠が少なかったということなのでしょう。


〈証言の信用性は難しい問題〉

今回の判断は、弁護士も関与していただけあり、特に証言の信用性については、実際の裁判で行われるような検討をしたのだろうと思います。刑事事件で被告人を擁護する立場がその証言を否定するのは何ともいえない部分もありますが・・・
そして処分については、八百長事件に対する厳しい目を考慮して、「黒に近い灰色は黒」と認定したのかもしれません。刑事事件の原則は、「黒に近い灰色は白」であり、矛盾するものですが、刑事裁判ではないが故にできた措置なのでしょう。
しかし、八百長を否定している力士にしてみればたまらない問題です。相撲の将来がかかっている一方で自分たちの生活がかかった問題ですから・・・認めるわけにはいかないでしょうが、解雇をちらつかされているから強行突破するリスクもつきまとうわけです。解雇処分を受け、かつ、その後の解雇無効の裁判で敗退するかもしれないリスクをどこまでみるか・・・力士会の意気込みが消沈してきていることと無関係ではないと思います。


〈今後は・・・〉

「八百長は金銭的な(やりとりが発生する)もので、星の回し合いは八百長ではない」という発言があったようですが、金の取引がなくても八百長は八百長です。力士にとって大切な星を取引しているわけですからね。このような発言が出すことが、八百長の日常化を推測させ、力士にとってマイナスになることを何故考えられないのか・・・
 ほとんどの力士が関与を否定しています。実際、どの程度詳細な聞き取りがされたかは明らかではないので、何とも判断がつけられません。ただ、証言の難しさは、上記のとおりで証言のみで判断されては納得がいくものではないでしょう。言い分を聞いてもらえなかったというのは、別の証拠〈証言)で「黒」と判断していたからです。引っ張り込みの危険(道連れの危険)を考慮せず、自分の人生を台無しにされてしまってはたまったものではありません。納得がいかないのであれば、とことんまでやって欲しい。裁判の結果で負ければ「やっぱり」と思われるかもしれませんが、ここで引き下がってしまっては「やっぱり」になってしまい、同じ結果です。

 一相撲ファンとしては、早期に大相撲が再開されることを望んでいます。
 誰もが納得いく結果は難しいのだと思いますが、もう少しやり方・引きどころはあったのではないかと思う部分もあり、複雑です。



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2011.04.04 / コメント:: 0 / トラックバック:: 0 / PageTop↑


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Jリーグ創設元年からJリーグの試合を追いかけています。弁護士の職業よりもJリーグ観戦歴は長い(笑)
サッカーだけでなく、法律がかかわる問題を簡単にご説明いたします。

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